| 第7回:おばあちゃん | byもも |
私には95歳になる祖母がいます。もう何年も病院で生活をしています。 先日、久しぶりにお見舞いに行きました。 ずっと以前は会話もしっかりできていたし、食欲も旺盛で お見舞いの品をひとりで食べることも可能でした。 今は、祖母に話しかけられても、なんども 「えっ、なんて?おばーちゃん、もう一回!」と聞き返すことがほとんどです。 やっと聞き取れた言葉は「脚をさすってほしい」というものでした。 シーツをめくり、すっかり骨と皮だけになってしまった祖母の 脚や腰をさすりながら、祖母とのいろんな思い出が蘇ってくるのと 同時にある疑問が浮かび上がったのです。 人は自分の赤ん坊を全身全霊で育てていくというのに、なぜ自分の親を 同じように介護することはできないのだろうか・・・と。 全ての人がそうではないでしょうけど、どうしても自分の生活が優先になって 子供を育てるように介護をすることは難しいように思います。 実際、おばあちゃんの子供たちも毎日お見舞いに来ている人はいません。 そして私も・・・。 親というものは、そういう存在なのでしょうか。 見返りを求めない無償の愛を注ぐ存在。 自分を全身全霊で育ててくれた親であっても介護を第一に 優先できる人が少ないのはどうしてなんでしょうか。 見た目の可愛さの違いでしょうか。 希望に満ち溢れた赤ちゃんと、死が近くなっているお年寄りとでは、 人に発するエネルギーに違いがあるのでしょうか。 年をとるにつれ、だんだん子供に帰ると言われますが、 容姿もかわいい赤ちゃんのようになればどうでしょうか。 私たちは年老いた親を愛しさいっぱいで介護することができるのでしょうか・・・。 そんな私は両親を最後まで介護することができるのでしょうか・・・。 こんな妙なことを考えながら、すやすや眠っている祖母の脚をさすり続けました。 |
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