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須磨寺管長 小池弘三 氏
独占インタビュー
     




今回は須磨寺の管長・小池弘三 氏から須磨の歴史・観光についてお話しをお伺いすることができました。

地域の活性化のためには街とお寺が協力しなければならないといった思い、人と人が触れ合える

空気があるお寺にしていきたいという思い、そして人と人とが触れ合うなかでひとりひとりが心を

豊かに生きてほしいという思いが伝わってくるインタビューでした。





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小池 弘三  氏  (こいけ こうさん)
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昭和30年8月3日生まれ(福岡県出身)

福岡大学商学部貿易学科卒業

昭和52年11月23日 出家得度

昭和56年2月 須磨寺入寺

平成8年4月 須磨寺貫主就任

平成10年1月 須磨薪能実行委員長

平成14年4月 須磨観光協会会長

その他、各種団体の役員・理事など多数就任
趣味:歌、球技スポーツ、演劇、古典芸能鑑賞
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「 祈り ・ 安らぎ ・ 夢 」 を感じられるお寺にしていきたい (インタビューより抜粋)



Q1. 須磨寺の歴史について

編集部


須磨寺の歴史は、そのまま須磨の歴史だと言っても過言ではないと思います。須磨寺の須磨の歴史の中にしめる位置など、かいつまんでお話願えないでしょうか。

小池管長 須磨寺という名前自体が元々「福祥寺」という名前でした。須磨の寺であるということの通称で「須磨寺」という呼ばれ方をされたようです。今でも役所の登録は福祥寺です。
昔は須磨といえば西須磨村と東須磨村の2つのことを指していました。そのうちの須磨寺は旧西須磨村に属していました。

編集部
いつぐらいからそのように呼ばれだしたのでしょうか。

小池管長
おそらくは一の谷の合戦が行われた時期あたりではないでしょうか。その頃から西へ東へ人が行き来するようになったと言われていますので。
歴史という意味では、お寺は平安時代に開創されたものです。またその本堂の中にある「宮殿(くうでん)」というお仏壇は600年前のものとされています。

編集部
源平の合戦のクライマックスとも言うべき一の谷の合戦が須磨寺の周辺でくりひろげられたわけですが、その時、戦死した平敦盛の遺品などが須磨寺に遺されているとお聞きしました。それから義経と須磨寺の縁(接点)というのは、どの辺にあるのでしょうか。

小池管長
縁は一の谷の合戦の時、この須磨寺が源氏の陣地となってからではないでしょうか。合戦は神戸一帯で繰り広げられたのですが、平氏を壊滅させた戦いが須磨周辺の戦いだといわれていますのでその後、陣地として使われたのだと思います。

編集部

では合戦時の源氏の本拠地だったかもしれないということですね。

小池管長
そうですね。ただ平家物語自体が戦が終わり、長い年月を経て琵琶法師によって歌われたものですから、そういう意味では義経が須磨寺に陣地をはっていたという見解には多少、相違があるかと思います。
須磨寺には平敦盛の首塚があるとされていますが、これは皆のための供養塔だったとも言われています。

Q.2 NHK大河ドラマ「 義 経 」について

編集部

来年1月からNHK大河ドラマで「義経」が放映されます。一の谷の合戦などで須磨が注目されると思いますが、それに向けて須磨寺として取り組まれていることを教えて下さい。

小池管長
まずは、境内をいつも綺麗にすることですね。あとはどんなことを質問されてもある程度答えられるよう勉強しています(笑)

編集部 撮影では須磨の地や須磨寺が舞台になるのではと思うのですが、撮影の協力依頼はございましたでしょうか。

小池管長 特に今のところないですね(笑)朝日テレビ(ABCテレビ)の「歴史街道」
という番組で放送されていたみたいですけどね。

編集部 来年はそういった意味でも観光客の増加が見込まれると思います。観光客向けの特別企画などありましたら教えてください。

小池管長
以前やっていた「子供武者行列」という催しがあるのですが、できれば来年ぐらいに行いたいと考えています。
あと、先代が「錦絵」を集めておりましてその展示会をしてみたいと思っています。「源平屏風」といった普段公開していないものもありますので合わせて展示したいですね。

Q.3 須磨区の観光・文化について

編集部

須磨寺には敦盛塚、芭蕉句碑をはじめとしまして、青葉の笛など歴史に名を残している様々なものがあります。須磨寺を訪れたときの見どころ、また、一般には知られていないような時代背景などありましたら教えてください。

小池管長
お寺のテーマとして「 祈り ・ 安らぎ ・ 夢 」というものがあります。この3つの思いを須磨寺を訪れた方に感じて欲しいと思います。
まず、橋を渡りまして門をくぐりますと震災の追悼碑やお坊さんに見える岩などがあり、この辺りが「祈り」であります。
しばらく進むと左手に平敦盛と熊谷直実の一騎打ちを再現した「源平の庭」があります。その先には宝物館、亀やカエル・牛などといったエンターテイメント的な動物の像があります。
階段を上がりますと本堂があります。ここでは少し厳粛な気持ちになっていただき、その周りには多くの樹木がありますのでベンチなどに座ってこの辺りでは「安らぎ」を感じて頂きたいと思います。
その他いろいろなものが須磨寺にはありますが、そういった全体の流れの中で来られた方に、それぞれの「夢」を感じて頂きたいと思います。
あまり知られていない時代背景としましては、大正の中頃、尾崎放哉といった有名な俳人がうちの寺に寺男として住んでいました。

編集部 小池管長様は須磨観光協会の会長を勤められているとお聞きしました。須磨観光協会の会長として、須磨区の観光への取組みはどうあるべきだと思われますか。

小池管長
私は須磨は車で観光するところではないと思っています。歴史を辿るのであれば、やはり昔の人が歩いた道を自らの足で歩くというのが大切だと思います。ですから観光もそのように歩く人に対する取組みを行えばよいのではないでしょうか。
車やバス・電車はその補助的な役割でいいと思います。私としては「歩く街・須磨」をもっと展開していければ良いなと思います。
歩くことによって地域の人たちと触れ合うこともできますし、街の温かみを感じることができますからね。歩けば意外と遠くまで歩けるものですしね(笑)

編集部 そうですね。1日あれば海から山へ登り須磨の名所を周って板宿まで歩けると思います。

小池管長 旅というものは途中の過程が面白いですからね。お土産屋さんから観光名所といった点と点の観光ではなく、歩くということで自らの軌跡を振り返れる線の旅をして欲しいですね。

編集部 須磨は歴史も古く、文化の盛んな地です。須磨寺には芭蕉や子規の句碑、山本周五郎の文学碑など、歴史深いものが色々あります。一絃琴・須磨琴の保存会というのもあります。
これらは須磨寺が須磨文化の中心に位置してきた証しだと思います。今までの須磨の文化、これからの須磨の文化のあり様について何かお考えがありましたらお願いします。

小池管長 んー。これは難しいですね。大そうなことは言えませんが、我々としては訪れた人が文化的なことを感じてくれて、文化的なことを創り出せるような場所を残すということに努めたいと思います。松尾芭蕉にしても正岡子規にしても須磨という場所が気に入って句を残したのだと思います。
ですから一絃琴・須磨琴・智慧の盆の太鼓などでも演奏者の方から須磨寺で演奏したいと言って頂ける場所を作りたいですね。
そういう形で芸術や作品が生まれれば、周りも触発され、よりよい方向に進むのではないでしょうか。





Q.4 須磨寺と地域との交流についてお聞きしました

編集部

8月に須磨寺で行われた「智慧の盆」に参加させて頂きました。とても素晴らしい行事だと思いました。また、これは須磨寺と地域との強い結びつきの証左だと思います。
これまで須磨寺として地域にどう関わってこられたのか、これからどう関わって行こうと考えていらっしゃるか、教えてください。

小池管長
地域とはやはり共に栄えて行きたいというのが一番ですね。私は智慧の盆でもそうですが、地域との関係は今はじまったところだと思っています。

編集部 智慧の盆は小池管長がはじめられたとお聞きしたのですが。

小池管長
そうですね一昨年からやり始めました。須磨寺商店街の若手グループに「須磨府(すまっぷ)」というのがあります。メンバーは7、8人で年齢は30〜50代なのですが、その人たちと話すようになってからですね。共に地域活動をやっていこうとなったのは。
また、須磨寺を地域の人に利用してもらいたいという思いもあります。行事をするだけではなく地域の方からも要望を出してもらって交流を深めていきたいですね。
それから、お寺にお参りにきた方と接点のあるお店が少ないので商店街に増えるといいと思います。

編集部 なるほど。では「21世紀の須磨寺」という大きな視点から、今後の須磨寺についてお話をお願い致します。

小池管長 先程も話にありましたが、「祈り・安らぎ・夢」を大切にしていきたいですね。知らない人同士でも自然と話しが生まれるそのようなお寺にしていきたいです。
そのためには境内にもっと椅子やベンチを増やしていこうと思います。椅子に腰掛けることでゆっくりとした時間を持てますからね。
また、寺の裏にある山などでも原生林を大事にするというのもあるのですが、多少は手入れをしていかないといけないと考えています。
本堂の裏手には桜の木を植えようという計画もありますよ。

編集部 それはとても素敵ですね。我々も須磨寺にある桜は是非見てみたいので楽しみにしています。

Q.5 現代の若者へのメッセージ

編集部

小池管長様より現代の若者へ向けたお言葉、メッセージ・アドバイスなどありましたらお願い致します。

小池管長
心豊かに物事を行って欲しいと思います。特に今の若者は人と比較しなければ自分の幸せを感じることができない人が増えていると思います。もっと自分なりの幸せの尺度を持って頂きたいと思います。
日本は物資が溢れているので、物があって当然という思いを誰もが持っています。今でも豊かな生活ができているのですから、物を追い求めるのではなく、もっと心を豊かにすることを考えて欲しいです。
今の子供って結構テレビ任せにされているところがありますよね。子供などは特に、優しさを受けていないと人に優しくできないと思いますよ。人間なんて自分の受けた経験・知識の範囲内でしか対処できないものですからね。

知識プラスそこに心がこもってはじめて「智慧(ちえ)」となります。知識だけではなくそこに心が伴なわないと悪い方向に進んでしまうこともあります。智慧の元にあるのが慈悲です。慈しみの心がはじめて智慧となるのです。
戒めや我慢を覚え、努力・精進することで、智慧を得て、日々成長していって頂きたいと思います。

編集部 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。歴史のことから貴重なお話しまでとても勉強になりました。
我々も普段の生活から心を豊かにすることを積極的に考えていきたいと思います。本当にありがとうございました。


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